僕のベランダには、夏の終わりごろから勝手に住み着いた黒猫がいる。
勝手に住み着いたくせに縄張り意識は一人前で、僕が洗濯物を干す時なんかに窓を開けると、そのたびに「シャーッ」って言って威嚇してくる。ずうずうしい奴だなぁと思っていたら、まだ小さな子猫と一緒の母猫だった。
だいたい一月くらい経って、だんだんあっちも慣れてきたのか、開けた最初だけは形式的な威嚇こそするけれど、あとは「まぁ気にしませんよ」というような顔をする。こちらも特に世話を焼くわけでもなく、あちらも何かを媚びるわけでもなく、ちょうどいい距離を見つけて付き合っているようなそんな感じになってきた。
少し涼しくなったらいい加減ベランダも掃除しようなんて思っていたのに、そんなわけでそうもいかなくなってしまった。置きっぱなしのブルーシートが彼女らのお気に入りの寝床らしい。
なんだかわずらわしい様にも思うけど、昨日ふと、あの2匹もいつか居なくなるんだろうなって思ったら少し寂しくなった。それだったら、それまではお互いちょっとだけ気になりながらも付かず離れずやっていこうかなと思った。

