2010年、インタラクティブエージェンシーの年になるか 

2010年は何の年か。いろんな見方はあるけれどデジタルな視点としては、.comバブルがはじけてから10年目の年というのが真っ先に上がる回答かもしれない。
米Adweekが今年の3月に”Digital Agencies Get Back to Business“という記事を書いている。これは.comバブルがはじけてから10年たった今、ようやくデジタル・エージェンシーが表舞台に復帰できるかもしれないというような記事だ。表舞台に”復帰”という言い方をすると関係者の方から批判を受けそうだけれど、やはりこれまでは戦略など上流工程は総合代理店など別のところが担い、ウェブサイト制作やバナーキャンペーンの戦術を請け負うような形が米国でも主流だったようだ。これは今の日本の現状と一緒だろう。
しかしそんな状況から変化が生じてきているという。これまではデジタルマーケティングの担当者など現場レベルからの相談が中心だったのに対し、いまは”C-Level exec” つまりクライアントのマネジメントレベルからビジネス変革のためにどんな手伝いができるのかという質問がくるらしい。これは大きな変化だ。そしてこれこそが.comバブルの時期にデジタルに関わる企業や個人に期待されたことであり、彼らが応えられなかった(あるいはそういった基盤がそもそもマーケットに無かった)ことだ。
この質問が10年を経て繰り返されることの意義は大きい。10年前はブロードバンドが普及し始めたその黎明期に、技術的な側面から「何かが変わるんじゃないか」という漠然と期待感からなされた質問であった。しかし10年を経て今の”C-Level exec”がこういう質問を再度投げる背景にはそういった浮き足立った要素は無い。彼らがそういった質問をもう一度するのは10年を経てじわじわと消費者が変わり、マーケットが変わってきたからだ。
これはもちろん何も目新しい話でも何でも無い。ずっと前から予想されていた筋書きと同じだ。人々はいわゆる4マス(テレビ、新聞、ラジオ、雑誌)からデジタルにシフトするから、企業のマーケティングもシフトしなければならないとあなたも耳にタコができるくらい聴いたあの話のとおりだ。ただ大事なのはその転換のタイミングが米国でいままさに来ているということだ。
この記事で取り上げられているRazorfishやR/GA、その他AKQAなどの外資系のインタラクティブ・エージェンシーの中で日本にそれなりにちゃんとした軸足があるところはRazorfishだけで、そのRazorfishも日本では電通との合資で展開しており、その辺りの大人の事情も勘案すると日本でデジタルエージェンシーがどこまで主導権を握って動いていけるかはまだ未知数というのが実際のところだろうか。
2020年の日本のエージェンシー事情はどうなっているんだろう?







